「法事には“黄白”ののし袋」は関西では常識!その色の意味とは?
東日本では常識とされていることが、関西では通用しなくて驚いた。
そんな経験、皆さんもありませんか?
法事ののし袋もその一つ。
関西では、関東方面の法事では見かけない、ちょっと変わったデザインののし袋が普通に使われているんです。
それはいったい、どんなのし袋?
おめでたい時は紅白、不幸があったときは黒白。
全国的に、のし袋の水引の色についてはそのように認識している方が多いでしょう。
しかし、実はまだ他にも色があるのです!
のし袋には様々な種類があり、用途に合わせて使い分ける必要があります。
例えば、水引の形や色。
紐の結び方が違っていたり、色が紅白だったり白黒だったり。
・・・ここまではわりとみなさんご存じだと思いますが、ではこのようなのし袋をご覧になったことはあるでしょうか。
こちらは、関西で使われる法事用ののし袋。
関西だけではなく、北陸や四国地方の一部でも使われているようです。
その発祥は、京都。
「紅白」の水引が、染め方の具合で「黒白」と似たような感じなってしまうことがあったため、わかりやすく区別するために「黄白」の水引を使うようになったのだとか。
法事では、全国区では一般的な「黒白」は使わず、「黄白」を使う方が多いそうです。
他の地域の方にしてみれば全くなじみのない色の水引なので、最初は「え!?」と戸惑ってしまうかもしれませんね。(少なくとも、東北出身の私は黄白ののし袋を見たこともありません。)
しかし、関西であっても葬儀の席で黄白ののし袋を使うというのは一般的ではありません。
そこはやはり、「黒白」がスタンダード。
四十九日までは黒白を使い、一周忌の法事からは黄白を使うというのが一般的です。
使い分けのタイミングを間違うと「非常識な人」認定されてしまいますので注意しましょう。
ちなみに、神道の場合は玉串料、榊料、御神前などを包む時に使われます。
その場合でも、仏教の「四十九日」に相当する五十日祭が一つの境になり、「五十日祭までは黒白、一年祭以降は黄白」と使い分けるのがスタンダードです。
四十九日は、亡くなった方の「来世」の行先が決まるという重要な日。
遺族にとっても一区切りつく大切な法事ですから、ここを境にのし袋の色が変わるというのは自然な流れのように思います。
関西に限らず、このように使い分ける風習があればわかりやすいかもしれませんね。
色や結び方に細かいルールがあって、それを間違うと「非常識」と言われてしまう。
そう思っていましたが、最近はのし袋の世界も多様性が認められるようになりつつあるようです。
たとえばこちら、その名も「水引館」というショップでは、既成概念にとらわれない自由なデザインの水引をあしらったのし袋を取り扱っています。
http://www.mizuhikiya.com/shopping/shugi-butuzi.html#b-10
はすや菊など、決して華美ではなく、それでいて控えめなかわいらしさ、センスの良さが光る水引。
関西の黄白も斬新でしたが、お花モチーフの水引というのも目新しいですね。
自分が喪主の立場になったとしたら、一般的な黒白タイプののし袋をもらうよりもこういったちょっとひねりの効いたのし袋をいただいたほうが悲しみがまぎれるように感じます。
葬儀の席に持っていくのはちょっと抵抗を感じるな・・・という方でも、一周忌以降の法事であれば選択肢の幅を広げてみても良いのではないでしょうか。
一般的に、法事用のし袋の水引きといえば「黒白を選ぶ方が多いでしょう。
しかし、ここで紹介した通り、関西ではちょっと事情が違っています。
- 四十九日までは黒白を使い、一周忌以降の法事では黄白を使うのが一般的
- 神道でも一年祭以降は黄白ののし袋を使う
- 色だけではなく、水引の形状に凝ったのし袋も登場している
時代の移り変わりと共に、仏事の世界も変わりつつあります。
いつの時代も、大切なのは故人を想う供養の気持ち。
ただなんとなくお金を包むよりは、ちょっと常識から外れたデザインであっても気持ちが込められるのし袋がベターです。
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