初七日から仏壇へ何をお供えする?
宗派によって通夜・葬儀を終えて、初七日から四十九日までの仏壇へのお供えのしきたりやならわしなども、まったく違ってきます。
宗派による違いはこまかい点もあるため、日本で多くおまつりされている三つの宗派について見ていきましょう。
葬儀を終え、ご自宅に戻られたご遺骨や遺影、白木の位牌などは、あらかじめ準備してある中陰壇といわれる祭壇に安置しましょう。
中陰壇の置き場所は、仏壇の横がもっとも理想的ですが、お部屋の都合で置けない場合には、前においても大丈夫です。
仏壇のないお部屋に中陰壇を準備する際には、ご本尊も安置するようにしましょう。
中陰壇の荘厳は、五具足・三具足どちらでも構いません。
三具足とは、
- 香炉
- 花瓶
- ろうそく立て
のことをいいます。
ご遺骨、遺影は上段部に安置、お仏飯、お供物は下の段にお供えしましょう。
昨今は、初七日を葬儀後の中陰の期間中に最初にいとなまれるのをくり上げ、火葬場から戻り次第ただちにおこなうことも増えています。
しかしながら、初七日法要のときには、仏法を傾聴する姿勢が大事とされます。
さて、浄土真宗の初七日の法要では、
- かげ膳、
- コップ水、
- お酒
はお供えしなくても大丈夫です。
浄土宗の教えでは、お亡くなりになったあとすぐに浄土にいき、御仏のそばにいくことができるといわれているのですが、日本では一般的には、死者を弔うという伝統習慣にのっとって、法要をおこないます。
教えでは、亡くなると、故人はあの世でさばきを受けて来世の生まれ変わり先が決まると考えられているのですが、インドでは、四十九日をすぎると輪廻転生し、生まれ変わるのだと考えられていました。
このため、初七日をはじめ、七日ごとに裁判があるため、故人の罪をできるだけ軽くし、裁判の結果をよくしてあげようというのが、法要であるという考えです。
一般的な考え方では、初七日、三十五日、四十九日などと期間が設けられているのは、遺族が仏壇などにむかい、故人への想いを深めて、故人の幸せを願い、別れの寂しさをやわらげていくために必要とされています。
浄土宗では、初七日法要は葬儀に一区切りつけるということで重要な意味合いを持ちます。
二十七日、三十七日、四十七日は身内だけで済ませることが多いのですが、五十七日、四十九日には、親戚縁者があつまり法要を行います。
四十九日に納骨をすることが多く納骨法要も行います。
これが終われば、お骨が自宅からお墓に移ることになり、本当にひと段落ということになりますので、白木の御位牌が塗りの御位牌に変わります。
これで、お仏壇にはお骨の代わりとして、御位牌がひとつ増えるということになります。
曹洞宗の場合は、初七日から七日ごとのお参りに加え、御霊供膳とお団子を毎日毎食仏壇にお供えするしきたりがあります。
御霊供膳とは、生きている人が食事をするように、遺族が食べるものを少しずつ取り分けてお供えするのですが、毎日毎食となるとできない時もあるかと思います。
故人を思う気持ちが大事ですから、毎日毎食できなくても毎日一食でも、故人とともにお膳をともにし、しのぶ心を取り戻すことがもっとも大事と説かれる方もいらっしゃいます。
四十九日には、仏さまの世界に生まれ、成仏できますように手を合わせます。
お釈迦さまは、七日ごとの法要による、迷っている心を解き放ち、穏やかな仏心へと少しずつ向かっていけるようにこの法要の間に導いてくださっているというのが曹洞宗の教えです。
ちなみに、曹洞宗では仏壇のなかに故人の写真を飾っても問題ないとしています。
また、仏壇や御位牌に魂入れをする開眼の儀式の際には、お供えや準備物が決まっています。
お供えとしては、
- 果物、
- お霊供膳、
- 積み団子、
準備物としては、
- 小皿にひとつまみの塩、
- 小皿にお米をひともり、
- 割りばし一膳、
- お水をコップに一杯、
- 習字用の新しい小筆、
- 墨汁少量、墨
- 汁を入れる硯か小皿
となっています。
いずれの宗派にしても、故人がどうかあの世で幸せになり、また心やすらかでいますようにという願いは同じのようですね。
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